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シムトラ関係のエントリーまとめ群

Simutrans AdventCalender 2021 23日目 ライセンス宣言について考えようぜ

当記事はSimutrans Advent Calender 2021 23日目の記事となります、Advent Calenderの一覧については以下のリンクよりご覧ください。
adventar.org


本日はライセンス宣言について少し思うところがあるのでまとめたいと思います。

おことわり

  • 本記事内に置ける著作権等の解釈については令和3年1月1日より施行されている著作権法を根拠とし、e-Gov法令検索から同法のページを最後に記載するものとする。
  • 同様に他の記事を引用等した場合は参考資料として最後に引用した記事と最終閲覧日を記載するものとする。

関わるコミュニティの影響

活動の頻度が下がりつつありますがSimutrans関連の他にSCP財団という怪奇創作コミュニティでも活動しています。拙作のアドオンでもファンアートコンテンツとしても何個か製作しており、ネットミームとして半ば独り歩きする形で有名になったSCP-040-JP ねこです。よろしくおねがいします。*1や、座ると9割の確率でノースカロライナへ飛ばされるが極稀にサウスカロライナもしくはウェストバージニアへと飛ばされる椅子SCP-1475-JP 標的はノースカロライナを製作してきました。

そのアドオンの説明文もしくはREADMEでCC BY-SA 3.0を適応しますやライセンス関連の表記という形で原典とした記事と場合によっては参考資料について言及していますが、これはクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(以下、CCと表記)において「ある著作物からの派生物を頒布等をする場合に著作権者(作者)の名前の表示義務が発生しますよ(BY)」と「元の著作物と同じライセンスを付与するなら頒布してもいいよ(SA)」という2つのライセンス要項を遵守しているためです。
このライセンス要項を遵守することでおおっぴらに二次創作ができるだけでなく、創作すると必ずついてまわる著作権についても問題がなくなります。

再配布・改造許可を明示したい

Simutransはローカルでプレイするプレイの他にNetwork Simutrans(以下NS)というマルチプレイが10年近く前に実装されました、「私は北海道プレイをしたいのでキハ281・283がほしいです!」とか「国境なきSimutransしたいのでClass 800を入れたい」という形でデフォルトのpakセットにアドオンを追加して、それを参加者全員に頒布することでNSをプレイすることが出来ますがその中に一つでも「このアドオンは再配布しないでほしい」と宣言されている、もしくは再配布について何も書かれていなかったらどうでしょうか?
そのアドオンだけを参加者が自力で追加しなければいけない、もしくはアドオン作者にNSの主催者が「NSでこのアドオンを使用したいので再配布してよいか?」という確認作業が必要になりますね。しかし、ライセンス宣言で再配布について許可していればNSでも気軽に使えるようになりますね。

そして、再配布の他にアドオンの改造が上げられます。直近のニュースであれば伊豆急行が房総地区を走行していた209系を購入して3000系としたり*2
山手線を走っていたE231系500番台E235系に置き換えられるのに伴い、中央・総武緩行線に全車両がそっちへ転属し元走っていた同0番代を武蔵野線八高線へ押し出して205系等を置き換えるという相当な転属劇がありましたが、シムトラにおいても500番台の中央・総武緩行線仕様や武蔵野線八高線仕様の0番代を作りたいとしましょう。

既にE231系を筆頭としたJR東日本の通勤型電車のアドオンは日本語化Wikiに投稿されており、アドオンのソースファイルは添付されているがReadme等に改造や再配布の許可について何も書かれていないとします。結論から言うと改造や再配布は可能ですが、ケースによっては再配布が出来ない可能性もあります。
まずは自分用に楽しみたいという場合、文化庁著作権制度の概要から著作物が自由に使える場合*3というページから以下の文章を引用します

私的使用のための複製(第30条)

  
家庭内で仕事以外の目的のために使用するために,著作物を複製することができる。同様の目的であれば,翻訳,編曲,変形,翻案もできる。
  
なお,デジタル方式の録音録画機器等を用いて著作物を複製する場合には,著作権者等に対し補償金の支払いが必要となる。
しかし,[1]公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(注1)を用いて複製するときや,[2]技術的保護手段(注2)の回避により可能となった(又は,その結果に障害が生じないようになった)複製を,その事実を知りながら行うとき,[3]著作権等を侵害する自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を,その事実(=著作権等を侵害する自動公衆送信であること)を知りながら行うときは,この例外規定は適用されない。
  
また,映画の盗撮の防止に関する法律により,映画館等で有料上映中の映画や無料試写会で上映中の映画の影像・音声を録画・録音することは,私的使用目的であっても,この例外規定は適用されない(注3)。

*4

ただし、この文章通りに解釈すると自分が使う場合に限られるため自分以外の友人等にもこのアドオンを提供したい、もしくはアップローダーで公開したい場合はどうすればいいと思いますか。Readmeにメールアドレスを載せている場合はそのアドレスに改造と公開の旨について連絡すれば良いかもしれませんが、なかなか敷居が高いと思われるので大体のケースでは日本語化Wikiにある「アドオンの改造・公開の確認用スレッド」を用いることになりますが、最近公開されたものであればこのスレッドで問い合わせたら反応があるかもしれませんが、このスレッドの存在に気づいていない可能性や古いアドオンの場合は既に作者が活動していないため連絡が取れないこともあるため、作者からの連絡がなかった場合は結果的に公開出来なくなります。

こういう事が想定されるので拙作アドオンのReadmeでは「Public Domainを適応します」に始まり「元のセットに従い自由にお使いください」や「元の作品に則りCC BY-SA 3.0に従います」と言った文面を載せています、後から誰かが「このアドオンを改造したい」とかNSで再配布したいと思った時に意思を示せるだけでも苦労は少しは減らせるのではないかと思います。

結論

きちんとライセンス宣言なり自由に使っていいよという宣言を書こう、マジで書こう、少しでも著作権とライセンスについて考察するきっかけになってくれたらと思います。

参考資料等

elaws.e-gov.go.jp
www.bunka.go.jp

協力

  • 身内鯖各位
  • 同鯖の人間より提供してもらった資料(結果的に未使用)

(最終閲覧日:2021年12月23日)

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昨日より少女☆歌劇 レビュースタァライト 劇場版のレンタル・動画配信が開始されております*5、本編を見てきらめきに目を焼かれてからロンド・ロンド・ロンドを見て最後に劇場版を見よう

*1:ねこが独り歩きしていますが本来は井戸小屋が指定されているんですよ

*2:伊豆急の209系は「3000系」…4両×2の8両編成、2022年3月には見学会 | レスポンス(Response.jp)

*3:著作物が自由に使える場合 | 文化庁

*4:原文では表形式だが、記事に引用する観点から見出し表記をつけている

*5:cinema.revuestarlight.com