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シムトラ関係のエントリーまとめ群

Simutrans Advent Calender 2022 8日目 ~そのマップを離さない - pak.nippon Player Ver.~

本エントリーはSimutrans Advent Calender 2022に参加しております、8日目を担当させていただきます。
エントリー記事の一覧については以下のリンクよりご参照ください。

adventar.org


前日は深沼悠花さんによるバス運営論と称して小回りが利く輸送手段であるバスについて取り上げられました、本日の記事の中でも取り上げております。
praline9107.wixsite.com



 本来は21日目に予定していた記事である「現在プレイしているマップの現在までの開発状況を元に1年はダラダラと続いた開発についての勘所」でしたが記事を分割した上で書き直し
本日はマップを生成する段階から開発が進んでくる段階までを踏んでその段階毎に気になった事やらをまとめていきたいと思います。
128な人さんが既に10年以上前に同様のエントリーを上げており、今回の記事とも被るところも存在しますがこういう考えもあるんだよ位のゆるい気持ちで見ていただければ幸いです。
simutrans128.blog.fc2.com

0.マップを用意する

 いきなりプレイの話ではなくマップを用意する段階から始めましょう、普段は地形データを利用していますがランダムマップを用いるパターンも合わせて記述します。
プレイするマップについてはSimutrans側で生成するランダムマップと画像化した地形データを用いるパターンが想定されますが、共通して言えることは正方形や縦横比が近い長方形ではなく「縦か横が相当長いサイズのマップ」を強くオススメします。例として現在のマップのサイズを引用しますが横:4760マス縦:11520マスという縦方向の長さがあるマップです。その縦か横に長いマップが良い理由については後述しますがいわゆる遊びを持たせるとだけ考えてください。
では、縦か横が相当長い大きさという条件を満たすマップ*1生成して次の段階に入りましょう。
ただし、サイズが大きいマップほど生成が終わるまで時間が掛かるので気長にコーヒーなり紅茶を淹れながら待ちましょう。地形データを用いると言って地形データの作り方については今回の記事では掘り下げません、これだけで別記事を1本書けるレベルに深いので。

1.計画を練る

 マップが出来たらいきなり開発をするのは準備運動をせずにいきなりフルマラソンを走るのと同義なので、まずは落ち着いて時間経過を止めましょう。
そして、全体マップを表示して地形を改めて把握するとおぼろげながらも開発するイメージが湧いてくると思います。このイメージが長期的にある程度の寄り道をしながら開発する基本の柱になるので、どこか頭の片隅に置いといてください。
少なくとも自分の場合は同じマップで1年持ったので効果はあると思います*2*3。そろそろ、時間経過を再開させましょう。

2.縛りを設ける

開発をただやるだけではなくいくつか縛りを設けてみましょう、この記事をここまで読んでいる読者であれば日本の鉄道路線は線路幅や電化方式等がいくつもあるのはご存知だと思いますが改めてここで整理しましょう。

  • 線路幅
    • 1067mm
    • 1435mm
    • 1372mm
    • 762mm
  • 電化設備
    • 架線(全線電化)
    • 架線(一部電化、蓄電池車運行用)
    • 第三軌条
    • 無し(非電化
  • 電化方式(直流)
    • 1500V
    • 600V
    • 750V

こうして、掘り下げると鉄道路線と一口に言っても線路幅や電化設備や設備によって全く違う路線であることは明らかではないでしょうか。ここで適当に2つの路線を引き合いに出してみたいと思います

路線 線路幅 電化設備 電化方式
東海道線 1067mm 架線 直流1500V
函館本線(小樽~旭川 / 新函館北斗~函館) 1067mm 架線 交流20000V(50Hz)

2つの路線を比較したら線路幅は同じだけども、電化方式が違うから2つの路線にまったく同一の車両を走らせるのは不可能に近いのは明らかではないでしょうか。この場合だと線路幅は同じなので機関車で牽引する*5、自力走行できる車両を用意する*6、機関車牽引で電車を走らせると言った手段があり最後は明らかに甲種輸送っぽい絵図ですが走らせる事はできます。

日本国内の鉄道の線路幅と電化方式について2つの路線を比較して整理した所で、実際にはありえない組み合わせ*7というのは見ている分には面白い時もありますが、それだとなんでも有りになってしまうでどこか面白くない。
そこで縛りというのが出てきます、縛りの幅自体は線路幅だけは分ける緩いパターンから電化方式から車両の所属会社きっちり分けるところまで様々ですが、柔軟に運用するなら線路幅と必要に応じて会社単位まで分けるのがベターですね。

これはプレイスタイルにもよりますが自分の場合は1つの会社で複数の鉄道会社やバス会社を運営するという、ライバル会社を使うべきとは思って中々使わないという変わったプレイをしています。Extendedの機能の一つである「近距離乗り換え」や「他社駅での乗降取り扱い」がStandardでも取り入れられたらのならば、すぐにでも会社分割やらをしたいとは思いますがまだまだそれは先になりそうですね。

3.基本はゆっくり進める

 まずは最初に上げた128な人さんの記事から以下の文章を引用します。

・急いで作らない
特に開発開始初期にありがち。
都市がつなぎ放題にあるから一気に線路引いて駅を…とやると早く開業させたいという思いから駅のワンパターン化、駅前の整備をはしょったりして後々土地ねぇorzしたり、輸送形態の変更がやりにくくなります。
ワンパターンになってしまうとマップ眺めててもそんなに面白くないですよね。

どうしても一気にやってしまうという人はBattleSimutransやNet(ryで設けている1日〇都市まで接続していいという制限を設けるのもいいかと思います

既にワンパターン化のデメリットが丁寧に言及されていますが、やはり全体の雰囲気が単調になってしまう事と柔軟性が出しにくいことが挙げられますね。
シムトラというゲームを活かしきるのならば1駅ごとに数日とまではいかなくても丁寧に作り込んで「この駅は延伸したら待避駅にしたいな、土地を確保しておくか」と将来を考えておいたり、「結構路線が伸びてきてるから途中の折り返しも考慮しないと、留置線置きたいなー」とか緩めな気持ちでも多少は作り込んでおくと見栄えというのが後から段違いで感じられると思います。
作り込むのが苦手って人がこの記事を読んでいる人にはいるかも知れませんが、いきなり丁寧に作り込みすぎると疲れてくるので最初は「駅舎は付けるようにしよう」とか「ホーム同士を渡る跨線橋をつけよう」と言った軽い所から始めるといいかもしれません。

鉄道ばかり延伸するだけでなく、都市内のバスネットワークを組んだりするのもゆっくりとした開発のポイントになります。
昨日の分を担当された深沼悠花さんのエントリーである「バス運営論~路線とターミナル~」等、過去のアドカレでバスについて扱っている記事がありますのでそれらを参照しながらバスを引くとあっという間に西鉄バス並にバスのネットワークと道路整備が主眼になりそうですがそれもまたプレイの楽しみにしてしまいましょう。

praline9107.wixsite.com

以下に極端な例ながら駅に対する作り込みの有無についてよくわかるかもしれないスクショを添付します。

中間だからと言ってそこまで作り込まなかった駅

輸送計画を考慮して余裕をもたせたり
右上に保線区もどきを入れるなど気を使った駅

4.寄り道

 少しずつ計画に基づいて延伸していてもだんだんと他のことをしたくなります。幹線系統がしっかり出来てきたからローカル線に癒やしを求めたいとか、路線で赤棒が立ったから並行路線引いて輸送力を増やしたいとか私鉄を唐突にやりたいといった他にやりたい(やるべき)事が出てくるはずです。
それもまた必要な事だと思います、いわゆる息抜きですね。 この段階になってくると鉄道空白地帯や公共交通空白地域と言った現実でも課題になっていることが少しずつ見えてくるかもしれません。

幹線の発展が著しいからそろそろ特急は知らせたいとか、ある程度広い土地があるから鉄道線を敷設しそこからバスを発着させて更に発展させたり、バスネットワークが絶妙に行き届いていないからそこまで行く系統を新設もしくは既存系統の延長をしてみたり
段々と発展してきてやれる(やるべき)ことが増えてきたら、次の段階に入りましょう。

5.整理

 この段階に入ってくるといくつもの路線で運行系統が増えて乱雑になり、ターミナル駅では折り返しで相当な混雑が生まれているだろうと思います。
そろそろ、マップ全体の路線を対象としてテコ入れが必要な段階です。線路を増やしたり電車1本あたりの両数を増やして運べる人数を増やすのもそうですが、編成を長くすると折り返しに時間がかかり始めますね。
大都市のターミナル駅で折り返しに時間掛かるとその間にも待機客が増えて赤棒がそこかしこで立ち始めている、いやもう相当立っているかもしれません。この段階で立ったことがないのならば純粋にすごいの一言に尽きます。

運行系統を作り直して大都市圏のターミナル駅で折り返しではなく、幹線でも遠方の折り返し可能な駅や他線区に乗り入れてそこで折り返したりする長距離運用プレイや、新線を建設して線路容量を稼いだり貨物線を作っていればそこに旅客列車を流し込むと言った更に発展したいわゆる東京都市圏の鉄道網を彷彿とさせる事もやりやすくなってきましたね。
バス路線もまた旅客数に対して対応しきれない所が出てくると思うので地下鉄や余裕があれば路面電車を作って景観的な要素を足したくもなりますが、道路を作り直してからバスの運行設定の手間を考えたら一長一短かもしれません。

6.これから

 この先については自分もまったく分かりません、結果的にマップがどうなるかというのは最後はその人次第という所が強いからです。
どういう風に開発して時間をどれだけ年単位で溶かすのかというシムトラしている人にとっては朝チュンも稀*8にあることから
この雑然とした文章のたった1文字でもいいからなにかヒントになってくれたらなと思う次第です。

7.続き

21日の記事ではシムトラにおける開発をここでは書くべきではないニッチな視点で取り上げます。
仮想の利用者を何パターンも想定した上で「2駅で終点は運用上仕方ないけど、どこぞのYoutuberがネタとして撮影しに来そう」とか
よりディープな内容でお届けします、21日にお会いしましょう!

タイトルの由来

  • 21日の記事でまとめて解説します

*1:ある程度性能があるPCなら縦もしくは横が1万でも動きますので、大まかな基準として

*2:途中でローカル線したり、バス路線や都市整備したので実際には計画通り開発していません。

*3:半年程度開発しておしまいとかが多かったので、1年開発するのが稀

*4:新交通システムで用いられる600V路線は除外します

*5:伊豆急 ROYAL SUITEの北海道乗り入れ

*6:四季島を始めとした架線に依存しない車両を用いる、複数の電化方式に対応した車両を用意する

*7:E233系湘南色京急車を同一の線路に走らせる等

*8:少なくとも執筆者の観測範囲限定